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年末年始に交わす言葉とタイミング

(2015-01-01)

2014年12月31日まで(写真はGesù(イエス。ここでは単独でキリストとは呼びません。)降誕の場面を表現したpresepioと呼ばれる箱庭のような模型。色々な素材で作られたものがあります。これは紙だけで作られたとても珍しい作品。)

今は大晦日の晩、日本では今頃明治神宮など大変な人出なのではないでしょうか。ここには「大晦日」に相当する単語はなく、「大晦日の晩(la vigilia del Capodanno=元日の前夜)」とか「一年の最終日(l'ultimo giorno dell'anno)」と呼ばれ、この付け足しのような表現からお分かりの通り、大晦日は特別な日ではありません。私たちも手抜きして、今日はおせち料理を作るわけでもなく、大掃除もしないで過ごしました。

 ただ、数日前からお湯が出なくなり、シャワーも湯船も使えないので、今朝家内が一大決心をして、給湯器メンテナンスの会社に電話しました。前回は暖房のスイッチが入らないという問題で、家庭教師の先生に立ち会っていただきながら電話したのですが、ここの住所を言った途端、これはイタリア人ではないから例のアフリカ人だろうと受付の人が思い込み、これが災いして話がこんがらかり、先生にピンチ・ヒッターでご登場願って何とか話が通じたという会社です。この経験はとても貴重で、言葉が通じるためには、相手の思い込みが前面に出てくることを避けるように最初の何語かを選ばなければいけないという教訓を得ました。まず、最初の自動音声案内をあてずっぽうでクリアし、今日は名前を言い、その後にgiapponese(日本人の)と付け加えました。これが功を奏し、お湯が出ない、と何が何でも繰り返し、何とか話が通じて午前中に来て貰えることになりました。給湯器は、年1回の清掃点検が義務付けられていて、来月がその月なので、ついでにやってくれました。石灰分の多いこちらの水を通すわけですから、給湯器内部の清掃は欠かせないのでしょう。折角来てもらって誰もいないのでは故障は直りませんから、Datiniに行くのは中止し、私がDatini館の館長さんのところへ一人で挨拶に行き、家内が待機することにしました。そして、ちらほら雪の舞う中、修理のエンジニアが来てくれて、今日は体を清めて元日を迎えることができるようになったという日になりました。

さて、こちらの年末年始の中心部分は12月25日から1月6日までの13日間。この間、12月25日、26日、1月1日そして1月6日は祭日です。Gesùの誕生日からEpifania(ご公現=東方の3博士がGesù礼拝にやってきたことを記念する日)までで、子供たちは12月25日の前夜にはBabbo Natale(サンタクロース)から、そして1月6日の前夜にはBefana(サンタクロースのような老婆)からの2回プレゼントを届けて貰えるのだそうです。ただし、良い子だけ。Befanaは悪い子には炭をあげるそうです。さて、あなたはどちらを貰えるでしょうか(このときだけ年増の人も子供になってプレゼントを貰えるとして)?

 この時期に交わす挨拶があります。日本でも「よいお年を」と、その人とその年最後に別れる時に言わないと、年内にもう一度会った後で言う言葉が気まずくなるように、ここでも選ぶ言葉とタイミングが狂うと何か気まずくなるのです。まず、12月19日に去年の経験からもう年末年始休みに入るのではないかと思って、Datini研究所のCさんに会いに行きました。その日は金曜日で、後からN教授、そして奥さんのAさんもいらして、私たちがこの部分を読めないんですと口走った途端、まるで猟犬のように鋭くその言葉の解明にとりかかってしまいました。N教授は、この筆跡はあまり見たことがないなとおっしゃりながら、紙と鉛筆を所望して、計算しながらお考えになっています。僕はこう思うけど、君はどうかねと奥さんにも聞くと、ここはそう読めるけど、ここはこれとこれとこれ、何通りか可能性があるわとか言っているようです。どうも、ピッタシ来ないななどと仰りながら、ついに「解が見つかった!」と明るいお顔を私たちに向けてくれました。私が「計算結果と照合しながら解読するのですね」と言うと「è fondamentale(基本だ)」と仰いました。私はそのお姿を見て、N教授は古書を読み解くことを問題を解く作業というより、パズルを解くような楽しみとお考えなのだな、と思いました。で、本題に戻ります。私たちは奥さんのAさんに「Buone feste!」と言いました。これは悪くなかったようです。というのは、Aさんとお会いしたのは偶々で、この年末年始でお会いすることはまずないことがお互い了解できるからです。ところが、お暇するとき、Cさんにも「Buone feste!」と言ってしまいました。Cさんは言葉を返しません。よく考えると、CさんはDatini研究所、私たちはDatini古文書館で入り口こそ違え、Datiniの同じ館に通っているのです。そして、Cさんは今日からお休みですかという問いに、「いいえ、未だですよ」の答えを返してくれていたのです。したがって、私たちの言葉は状況に合っていなかったわけです。「Buone Feste!」,「Buon Natale!」,「Buon Anno!」,これらの挨拶は選ばなくてはいけません。要するにその期間が終わったあと始めて顔を合わせると考えられる相手にそのタイミングで言う言葉を選ぶということになります。ですから、相手ごとに、日本語の「よいお年を!」と同じように、その状況を記憶しておく必要があるのですね。館長さんにご挨拶に行ったのも、実は、昨日開館日ははいつまでですかと尋ねて明日までと言われたので、では、また、明日、と言ってお別れしたために、この挨拶が不適切になってしまうので、わざわざ行くことになったのです。館長さんはとても柔らかい表情で、では、また来年と言ってくれました。この他に、「Auguri!(おめでとう=救世主が来てくれてよかったねという意味なのでしょうか、まだはっきりしません)」という言葉をよく言われます。この返答は「Auguri!」では駄目で、まず、「Grazie.」そして続けて、「Anche' a te!(あなたも)」,「Anche' a te e tua famiglia!(あなたとご家族にも)」、「Altrettanto!(あなたも=そのまま、すべてあなたにも)」が普通のようです(今日Vino Sfusoのお店で聞いてきました)。で、これだけワインを壜に詰めて貰いながら教えてもらったのに、お勘定を済ませて帰る時に、私の方から先に「Auguri!」と言ってしまいました。このため、私が「Auguri!.Altrettanto!」と言うべき役回りを逆にしてしまい、折角教えてもらった成果を生かせない状況を自ら作ってしまいました。でも、おじさんと手を握り合って挨拶してきたので、来年もおいしいワインを用意してくれることでしょう。そう言えば、今日のご主人はサンタさんのように赤いセーターを着ていました。
それでは、Buon Anno !、Buon Capodanno !、よいお年を!
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